殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね

 殿下とのお茶会の次の日、学園に行き馬車を降りると殿下が待ちかねています。
 待ち伏せは初めてでした。登校する生徒が必ず通る場所ですから目立ちます。

「おはよう愛しのカテリーナ、今日もなんて可愛いんだ」

 歯の浮くような台詞から始まりました。


 それを見たブラッドが私の手を取り、殿下を無視して歩き出したのです。
 ペコリと頭を下げ殿下の前を通り過ぎようとしたらもう一方の手を殿下に掴まれました。両手が自由にならないとは、困ったものです。


 昼休憩は殿下がランチに誘いに来ます。ブラッドや周りの男子生徒がやんわりと引き離してくれるのですが、また放課後に迎えに来られてしまうのです。

 学園で行われていた殿下のお茶会もなくなり、女子生徒から文句を言われるようになり、冒頭のような嫌がらせを受けるようになったのです。

 ランチを取ろうと思い、裏庭に着くと上級生の女子生徒五人に囲まれてしまいました。

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