殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね
くすくすと笑い声が聞こえて来て、
「侯爵の御令嬢が、地面に手をついて……情けないですわね」
一人の令嬢が地面に蹴りを入れてカテリーナに土を浴びせる。
「あらあら、泥まみれになって……土とまで仲良く出来るなんてさすが侯爵の御令嬢様は、慈悲深いわ」
怒りというか呆れる方が大きいのです。このままにしておく事は流石に出来ませんわね……
泥をつけた制服で帰ったら邸のものは不審に思うでしょう。そうなりますと原因を追求されます。学園の事は外に漏れないと本気で思っているのでしょう。私が何も言わない事を良いことに?
うちはそんなに甘くないのですよ……それでは教えて差し上げましょうか……解決をしておかないと後々面倒な事になりそうです。
立ち上がろうと地面に手をついたところに、ブラッドと殿下が走って来ました。
慌てて逃げようとする令嬢達。