殿下が恋をしたいと言うのでさせてみる事にしました。婚約者候補からは外れますね

 エントランスへと向かって歩いていたら、オーウェンが急いでやって来た。

「カテリーナ、もう帰るのか?」

 オーウェンめ! 私の事は無視か……!


「はい。オーウェン様、本日はお招きいただきありがとうございました。お会い出来て嬉しかったです」

「バタバタしてあまり話ができなくて残念だよ、殿下も本日はありがとうございました」

 私が居たのに気づいたか…

「あぁ、それでは私は彼女(カテリーナ)を送ってくるから失礼する」

 先ほどと違いカテリーナの細い腰を抱いて歩き出した。カテリーナは少し眠そうで、あくびを堪え、目尻に涙が溜まっていた。

 子猫のようで可愛い。あぁ、その涙を啜って味わいたい……またもや変な思考が巡らされた……。

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