病の君へ
今日、私は退院した。

空の心臓を体内に入れて、家に帰った。

1人の家は広々と感じて、同時に寂しさも感じた。

少しでも空を感じたくて、空の1番のお気に入りだったパーカーを羽織った。

リビングに戻るとそこに置いてある空のギターが私を呼んでいる気がして、カバーを外して手に取ってみた。

私はギターを聴いたことしかない。

はずなのに、空のよく弾いてくれた曲がすんなり弾けてしまった。
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