病の君へ
「わかった。でもなんで?」

「それは起きてからのお楽しみ」

俺がそう言うと、遠くでピピピピッという、聞きなれた目覚ましの音が聞こえる。

「今日はお別れ。また会いに来るから、泣かないでよ?」

「待ってる。あと、泣いてないから」

ポロポロこぼれ落ちる涙を袖で拭った実香は、俺の大好きな笑顔でそう言った。

「「じゃあね」」

お互いにそう言って、俺は実香の隣へ、実香は夢の外へと戻った。
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