病の君へ
「んー……。いい夢だったな……。あ、洋服ダンスの2番目……だったっけ」
ベットから降りた実香は、俺の洋服ダンスを開けて、黒い、手のひらサイズの箱を手に取った。
「これって……」
そうだよ。
実香への、婚約指輪。
「綺麗……。あ、イニシャル入りだ」
指輪を手に取って、眺めて。
自分で左手の薬指に婚約指輪を通した。
……俺がつけてあげたかったな。
「ありがとう、空」
でも、本当に幸せそうにそう言ってくれるから。
その言葉だけで、俺は幸せだった。
ベットから降りた実香は、俺の洋服ダンスを開けて、黒い、手のひらサイズの箱を手に取った。
「これって……」
そうだよ。
実香への、婚約指輪。
「綺麗……。あ、イニシャル入りだ」
指輪を手に取って、眺めて。
自分で左手の薬指に婚約指輪を通した。
……俺がつけてあげたかったな。
「ありがとう、空」
でも、本当に幸せそうにそう言ってくれるから。
その言葉だけで、俺は幸せだった。