病の君へ
「だっていつ死ぬか分からないもん。私は心臓以外は元気だから……」

「じゃあ俺も、誰かの為に書くよ」

そう言うと、実香は悲しそうな顔をした。

「大丈夫。使うのは脳死状態か、心臓が完全に止まった状熊でしょ?きっとおじいちゃんになったときだよ」

「そうだよね。大丈夫だよね……」

「うん、大丈夫だよ。ほら、そんな暗い顔しないで。早く退院して、旅行行こうね」

「うん!」
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