また、君と笑顔で会える日まで。
その言葉を信じてしまった私はまた元のように戻れるかもれないという淡い期待を抱いてしまった。
浴衣を着てなれない下駄を履き喜び勇んで待ち合わせの場所まで向かった。
指の間が痛み血が滲む。そんなのどうだって良かった。
また、みんなの輪に戻れるかもしれない。
『いってらっしゃい』と笑顔で見送ってくれた母の顔が蘇る。
私が虐められているのを母は言葉にしなくても察していたに違いない。
これで母に嘘をつかなくて住む。安心させてあげられる。
でも、私を待っていたのは容赦のない仕打ちだった。
待ち合わせ場所に行くと、私は指をさされてゲラゲラと笑われた。

『ちょっ、マジで来たんだけど!!』
『ウケる!超張り切ってるし!!』

待ち合わせ場所には、3人以外のクラスメイトも複数いた。
私服姿のクラスメイトは私を上から下まで舐めるように見つめる。

『うちらがあんたと一緒に祭りに行くわけないじゃん。ばーか』

ひとりが私の肩を押した。そのまま尻もちを着いた私を見て笑うと蜘蛛の巣をちらしたように彼女たちがかけていく。
あまりに惨めだった。母が結ってくれた髪につけていた髪留めが足元に転がる。
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