また、君と笑顔で会える日まで。
「あらっ、そうなの。もしかしてこの間の可愛いお友達?えっと、リリカちゃん?」
「そうです」

そうだ。齋藤さんはリリカちゃんのことを知っているんだった。

「あれからどう?リリカちゃんとは上手くいってる?」
「はい」
「そう。よかった。萌奈ちゃんはあの子に過去も全部話せたんだね」
「え?」

齋藤さんの言葉に首を傾げる。

「ほらっ、この間リリカちゃんを萌奈ちゃんの家に案内したでしょ?その時!色々な話をしたのよ」
「え……、それって私の中学時代の話ですか……?」

リリカちゃんに齋藤さんは何を話したんだろう。
私の言葉に齋藤さんの顔から血の気が引いていく。

「その反応って……えっ、まさか知らなかった……?どうしましょう。私ってばてっきり……」
「いえ、いいんです」

私は首を横に振った。
そうか。リリカちゃんがうちにやってきたあの日、リリカちゃんは齋藤さんに私の話を聞いていたのだ。

『あそこのスーパーはこの時間お弁当が半額なんだとか、そんなことばっかり喋ってたよ』

リリカちゃんはきっと、私のためを思って黙っていてくれたんだろう。

『ねぇ、萌奈。言いたいことは頭で考えてるだけじゃ相手に1ミリも伝わらないんだよ。言わなきゃわかんないよ。分かってあげられないよ』

あの時、リリカちゃんは子供でも諭すかのような口調で言った。

『何かあったらあたしに言ってよ?絶対ね?』
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