世界で一番大嫌いな君へ
小さなましろの手はとても温かい。触れられたことがとても嬉しく、凌は満面の笑みを浮かべていた。

小学校に入学してからも、ましろはその華やかな顔立ちからいつも人に囲まれた人気者だった。だが、凌は幼なじみという特別な存在だ。一緒に登下校したり、どちらかの親が仕事で遅くまで帰って来ない時には、どちらかの家で放課後一緒に過ごすことも珍しくない。

「ただいま〜!」

「お邪魔します!」

「おかえり、凌。いらっしゃい、ましろちゃん」

家のドアを開け、ましろと共に凌は中へと入る。すぐに母が玄関まで出迎えてくれて、ましろは母にペコリと頭を下げた。

「おやつ、すぐに準備するわね」

母はそう言いキッチンへと入っていく。凌はましろを自室にいつものように案内し、机の上に宿題を並べると宿題を始める。

「凌ちゃん、ここの漢字間違えてるよ。こうだよ」

「あっ、本当だ」

「ここの計算も間違えてるよ」

「えっ?どうするの?」
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