暗い部屋にただ一人(短編・完結)
この男だけは夕凪に好意を持って、夕凪の体が好きなわけじゃなく、心が好きだったのだ。


そんな男にいわゆる売春婦が本気になったら、商売あがったりだ。


だから夕凪は利口な女なのだ。


「でも、幸せを考えてみても良いんじゃないか?俺でなくても良い」


その言葉に、彼女は長い指で口元を押さえ、笑うのを我慢した。


「幸せって何さ」
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