サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)
「ここ、痛みますか?」
「いや、……平気だ」
我慢してるのかな……。
右だけ耳下腺が少し腫れていて、顎下腺も少し腫れてるように感じる。
そして何より、ここ数日は瞼が少し腫れているように感じるんだけど。
「タオル乗せますね」
電子レンジで温めたタオルを適温にして目元を覆う。
少しでも目の疲労回復に役立つと思うから。
「体内にまだビタミン効果が蓄積されてるので、今日はビタミン無しの点滴をしますね」
「………ん」
本当に疲労困憊で疲れているのか。
それとも、私とは会話もしたくないのか。
毎日診察して処置してるのに、殆ど会話らしい会話がない。
まぁ、変な気を遣わなくて済むから有難いと言えば有難いけど。
顔見知りの関係は、一カ月経った今でも変わらず。
友人にすら発展せず。
強いて言うなら、主治医では無いけどお抱え医師的な立ち位置?なのかな??
一応、報告も兼ねているため、診療記録を記す。
およそ三十分強の点滴の間に、かかって五分ほどの記録時間を要して、残りの二十五分ほどは忍耐ゲーム並みの拷問タイム。
タオルで覆っているから顔は分かりづらいが、他の部位は完璧なイケメン。
手の甲に軽く浮き出る血管一つ取っても色気がある。
顎のフェイスラインもシャープでカッコいいし、ネクタイを緩めて第一ボタンが外されたYシャツの襟元から覗く喉仏の辺りもセクシーだ。
それに、長い脚を軽く組んでる姿もカッコよすぎる。
ん~~、性格を差し引いてもおつりが出るほどの美男だ。
看護師たちが『眼福』だなんてよく言うけど、ホントそれだわ。
タオルで目元を隠してたら、冷視線浴びなくて済むしね。
うっとりと見惚れていた、その時。