サイコな本部長の偏愛事情(加筆修正中)
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「다음 일본에 오면 데이트하지 않겠습니까?」(訳:次に来日した時にデートしませんか?)
「ごめんないっ、何言ってるかさっぱり分からないのっ」
「데이트!」(訳:デート!)
「デート?!」
「네, 제발」(訳:はい、お願いします)
「NONONONONO~!」
「왜?」(何故?)
三階出発ロビーの制限区域内で、足を捻挫した搭乗予定の利用者の処置を施し終わった私は、クリニックへ戻る途中、韓国の航空会社の機長と思われる人物に只今ナンパされている。
どういうわけか、彼と会うのはこれで四回目。
すっかり顔見知り状態だというのもあるかもしれないけど。
韓国語なんて、全く喋れない。
かなり強引というか、手首を掴まれてて全然離してくれないし……。
色白で目元は奥二重なのかな?かなりクールな印象なのに。
テレビで観るような韓国俳優さんみたいな肌がつるつるで手入れが行き届いてる感じがハンパない彼。
押しが強いのはお国柄だろうか?
清掃待ちで搭乗口前で待機しているクルーで、機長の後ろにいるCAさんから、何故だか軽く笑われてる。
機長だもん、英語でなら通じるよね?
何て言って断ろうか……。
脳内で断る理由を探していた、その時。
前方から、救世主とも思える人物がこちらに向かって来るのが見えた。
「財前さんっ!」
「………はい」
『はい』じゃなくて、この空気を読んで『どうした?』って言って欲しいのに!!
仕事中はいつでも冷静沈着な上、言葉に抑揚もない。
「He is my fiancee.」(訳:私の婚約者です)
「Really?」(訳:ホント?)