隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
騎士の間に近づくにつれ、アルベティーナは冷静になりつつあった。ルドルフの最後の態度に頭にきてしまっていたが、力を入れて廊下を踏みしめていくたびに、苛々としていた気持ちが穏やかになっていく、と同時に、彼女は気付いてしまった。
(あ、私……。勢いあまって、団長に好きって言った?)
カツン、と足音が止まる。
(あぁっ)
思わず叫びたくなるところを我慢して、アルベティーナはその場にしゃがみ込んだ。
(言った。団長に、好きって言った。どうしよう)
両手で顔を覆いたくなる。
(あぁ……。どうしよう、どうしよう)
「アルベティーナ? どうした? 腹でも痛いの?」
頭の上から聞き慣れた声が降ってきた。伏せていた顔をあげ、声がした方に視線を向けるとやはりイリダルだった。
「あ、いえ。ブーツの中にゴミが入ったみたいで……」
ぱっと頭に思い浮かんだ言い訳を口にしていた。
「騎士の間まですぐそこじゃん。ブーツを脱ぐなら、そっちで座って脱いだ方がよくない? 我慢できないの?」
「そ、そうですね」
すくっと立ち上がったアルベティーナはイリダルの横に並ぶ。そして、気づいた。
(あ、私……。勢いあまって、団長に好きって言った?)
カツン、と足音が止まる。
(あぁっ)
思わず叫びたくなるところを我慢して、アルベティーナはその場にしゃがみ込んだ。
(言った。団長に、好きって言った。どうしよう)
両手で顔を覆いたくなる。
(あぁ……。どうしよう、どうしよう)
「アルベティーナ? どうした? 腹でも痛いの?」
頭の上から聞き慣れた声が降ってきた。伏せていた顔をあげ、声がした方に視線を向けるとやはりイリダルだった。
「あ、いえ。ブーツの中にゴミが入ったみたいで……」
ぱっと頭に思い浮かんだ言い訳を口にしていた。
「騎士の間まですぐそこじゃん。ブーツを脱ぐなら、そっちで座って脱いだ方がよくない? 我慢できないの?」
「そ、そうですね」
すくっと立ち上がったアルベティーナはイリダルの横に並ぶ。そして、気づいた。