隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
ルドルフとして共に過ごした彼と目の前の彼。あまりにも違い過ぎて、本当に同じ人物なのかと思う時もある。
だが、彼がふとした瞬間に見せる笑顔は、アルベティーナが惹かれた彼であることを気付かせるには充分だった。
「エルッキやセヴェリが羨ましいと言ったのは、私の本心だよ」
アルベティーナを抱き寄せる腕に力を込めながら、シーグルードは口にする。
「彼らは、君が幼い時からずっと一緒に過ごしていたわけだろう?」
それは家族だから、と言いかけたアルベティーナはその言葉を飲み込んだ。この状態のシーグルードには何を言っても無駄なのだ。
シーグルードは、アルベティーナの首元に顔を寄せた。
この後の流れを、アルベティーナは察した。間違いなく身体中に口づけを落とされ、
いつの間にか彼に組み敷かれてしまうのだろう。それが嫌なわけではないが、それでもまだ心の整理がついていない。
「ティナ……。私を拒まないで……」
シーグルードは狡いのだ。どのような言葉をかければ、アルベティーナが受け入れてくれるかをわかっている。このように切なげに声をかけられたら、彼を受け入れるしかない。
それはもちろん、彼に嫌われたくないという思いがあるからだ。
(嫌われたくない……。てことは、やはり私は、シーグルード様のことを……)
だが、彼がふとした瞬間に見せる笑顔は、アルベティーナが惹かれた彼であることを気付かせるには充分だった。
「エルッキやセヴェリが羨ましいと言ったのは、私の本心だよ」
アルベティーナを抱き寄せる腕に力を込めながら、シーグルードは口にする。
「彼らは、君が幼い時からずっと一緒に過ごしていたわけだろう?」
それは家族だから、と言いかけたアルベティーナはその言葉を飲み込んだ。この状態のシーグルードには何を言っても無駄なのだ。
シーグルードは、アルベティーナの首元に顔を寄せた。
この後の流れを、アルベティーナは察した。間違いなく身体中に口づけを落とされ、
いつの間にか彼に組み敷かれてしまうのだろう。それが嫌なわけではないが、それでもまだ心の整理がついていない。
「ティナ……。私を拒まないで……」
シーグルードは狡いのだ。どのような言葉をかければ、アルベティーナが受け入れてくれるかをわかっている。このように切なげに声をかけられたら、彼を受け入れるしかない。
それはもちろん、彼に嫌われたくないという思いがあるからだ。
(嫌われたくない……。てことは、やはり私は、シーグルード様のことを……)