隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「それが、私にとっては少し悔しいな」
アルベティーナを抱き寄せる手に力が込められたことから、その言葉はシーグルードの本心に違いない。
「もしかして……。私が、こちらに来てからシーグルード様の護衛にミランさんをつけたのは……」
「そう。少しでもミランに君の姿を見せてあげたかった。ミランも君のことはずっと気にかけていた。だが、近づく方法はなかった。私は君の婚約者という立場を利用しているし、エルッキもセヴェリも君の兄だ。だがミランは違う。実の兄であるにも関わらず、君と触れ合う方法がなかった。だから少しでも、と思った」
「ありがとうございます……」
シーグルードの腕に包まれたアルベティーナは心からそう思った。シーグルードはアルベティーナのことだけでなく、彼女の兄であるミランのことも気遣っていたのだ。
「ティナ……」
シーグルードが優しく囁く。
「私は、君のことを心から愛している。もう、手放したくない。あのとき、君を守ることができなかったことを、今でも後悔している。どうか、私の側からいなくならないで欲しい……」
それに応えるかのように、アルベティーナもシーグルードの背に手を回す。
「私も、シーグルード様をお慕いしております。出会い方は……、ちょっと……、騙されましたけど」
アルベティーナが見上げて頬を膨らませると、シーグルードは口元を綻ばせている。
アルベティーナを抱き寄せる手に力が込められたことから、その言葉はシーグルードの本心に違いない。
「もしかして……。私が、こちらに来てからシーグルード様の護衛にミランさんをつけたのは……」
「そう。少しでもミランに君の姿を見せてあげたかった。ミランも君のことはずっと気にかけていた。だが、近づく方法はなかった。私は君の婚約者という立場を利用しているし、エルッキもセヴェリも君の兄だ。だがミランは違う。実の兄であるにも関わらず、君と触れ合う方法がなかった。だから少しでも、と思った」
「ありがとうございます……」
シーグルードの腕に包まれたアルベティーナは心からそう思った。シーグルードはアルベティーナのことだけでなく、彼女の兄であるミランのことも気遣っていたのだ。
「ティナ……」
シーグルードが優しく囁く。
「私は、君のことを心から愛している。もう、手放したくない。あのとき、君を守ることができなかったことを、今でも後悔している。どうか、私の側からいなくならないで欲しい……」
それに応えるかのように、アルベティーナもシーグルードの背に手を回す。
「私も、シーグルード様をお慕いしております。出会い方は……、ちょっと……、騙されましたけど」
アルベティーナが見上げて頬を膨らませると、シーグルードは口元を綻ばせている。