隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
アルベティーナは、シーグルードの手にそっと触れ、指を絡めとる。
「君を一目見た時、私に妹ができたのかと思った。だが、違った。でも今は、違っていてよかったと思う」
繋がれた手に力が込められる。
「君とは、兄妹ではなく、夫婦になることができるのだから」
「はい……」
「あのとき。君は既に狙われていたんだ。安全だと思われていたここも安全ではなかった。君の居場所を知ったマルグレットの前王の関係者が、君をマルグレットへ連れて行こうとしたらしい」
それを阻止したのがシーグルードだ。彼の身体にはそのときの傷跡が今でもしっかりと残っている。
アルベティーナはドキリとした。
そもそも、なぜマティアスはアルベティーナのことを義妹であると思ったのか。なぜ幼い頃に狙われたのか。
もしかしてアルベティーナの母親は、無理矢理望まぬ関係を持ってしまったのではないだろうか。
「ティナ。マルグレットの国王も言っていただろう? 君は間違いなくマルグレット国王の娘だ」
アルベティーナの不安に気づいたのかもしれない。
「マルグレットの国王もミランも、君の家族だ。そして、ヘドマン家の皆も」
「はい……。そうですね。私には家族がたくさんいる。それだけで、幸せです」
皆がそう思っているのであれば、変に疑うことはしない方がいい。真実はどうであれ、今、起こっていることが事実なのだ。
「君を一目見た時、私に妹ができたのかと思った。だが、違った。でも今は、違っていてよかったと思う」
繋がれた手に力が込められる。
「君とは、兄妹ではなく、夫婦になることができるのだから」
「はい……」
「あのとき。君は既に狙われていたんだ。安全だと思われていたここも安全ではなかった。君の居場所を知ったマルグレットの前王の関係者が、君をマルグレットへ連れて行こうとしたらしい」
それを阻止したのがシーグルードだ。彼の身体にはそのときの傷跡が今でもしっかりと残っている。
アルベティーナはドキリとした。
そもそも、なぜマティアスはアルベティーナのことを義妹であると思ったのか。なぜ幼い頃に狙われたのか。
もしかしてアルベティーナの母親は、無理矢理望まぬ関係を持ってしまったのではないだろうか。
「ティナ。マルグレットの国王も言っていただろう? 君は間違いなくマルグレット国王の娘だ」
アルベティーナの不安に気づいたのかもしれない。
「マルグレットの国王もミランも、君の家族だ。そして、ヘドマン家の皆も」
「はい……。そうですね。私には家族がたくさんいる。それだけで、幸せです」
皆がそう思っているのであれば、変に疑うことはしない方がいい。真実はどうであれ、今、起こっていることが事実なのだ。