隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「あなたのおかげね。あの子を守ってくれてありがとう。でもね、あなたの命も大事なのよ……」
傷が深かったせいか、少年はしばらくの間、寝台の上から動くことができなかった。
夢と現実の世界をいったりきたりしながら、彼女と初めて出会ったときのことを思い出していた。
少年が痛みから回復をし、やっと動けるようになった頃。
彼女の姿はもうここにはなかった。歯を食いしばりながら母親に詰め寄ると「あの子を守るため」だと言う。
少年は悔しかった。自分には彼女を守るための力がないということに気付いてしまったからだ。
そんな彼の気持ちに母親は気付いたのかもしれない。
「生きていれば、必ずまた会えるわ。あなたとあの子を守るためには、これが一番いい方法なのよ」
どこか寂しそうに呟く母親の横で、少年は唇を噛みしめることしかできなかった。
傷が深かったせいか、少年はしばらくの間、寝台の上から動くことができなかった。
夢と現実の世界をいったりきたりしながら、彼女と初めて出会ったときのことを思い出していた。
少年が痛みから回復をし、やっと動けるようになった頃。
彼女の姿はもうここにはなかった。歯を食いしばりながら母親に詰め寄ると「あの子を守るため」だと言う。
少年は悔しかった。自分には彼女を守るための力がないということに気付いてしまったからだ。
そんな彼の気持ちに母親は気付いたのかもしれない。
「生きていれば、必ずまた会えるわ。あなたとあの子を守るためには、これが一番いい方法なのよ」
どこか寂しそうに呟く母親の横で、少年は唇を噛みしめることしかできなかった。