隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
第二章
社交界デビューを果たしたアルベティーナであるが、王都に長期滞在するようなことは無かった。どうしても出席が必要とされる王家主催の舞踏会と、その付近で開催される付き合いのあるお茶会に出席するために、王都に足を運び数日間滞在することはあった。だが、それ以外は領地で普段と変わらぬ生活を送る。
それでもアルベティーナの噂は一人歩きし始め、彼女が別邸にいないとわかると、ヘドマン伯の本邸の方にも男性からの手紙や贈り物が届くようになっていた。
「みんな、暇なのかしら?」
お断りの手紙を書きながら、アルベティーナは言葉をこぼす。あの社交界デビューを果たしてから、彼女の仕事となったのが、この届いた手紙に対して返事を書くことだった。
「そうね、あなたに婚約者がいないからだわ」
アンヌッカはそのように言うが、その通りであるため反論もできない。
だが、断り続けていると、相手も諦めを覚えるのか、社交界デビューをしてから一年も経てばその数も減ってきた。というのも、どうやら別な噂が流れ始めたからのようである。
噂は噂と割り切っているアルベティーナ。そして、両親もけしていい顔はしていないが、それを受け流すだけの余裕もまだあった。むしろ、その噂がある方が、都合がいいとさえ思っている二人。
それでもアルベティーナの噂は一人歩きし始め、彼女が別邸にいないとわかると、ヘドマン伯の本邸の方にも男性からの手紙や贈り物が届くようになっていた。
「みんな、暇なのかしら?」
お断りの手紙を書きながら、アルベティーナは言葉をこぼす。あの社交界デビューを果たしてから、彼女の仕事となったのが、この届いた手紙に対して返事を書くことだった。
「そうね、あなたに婚約者がいないからだわ」
アンヌッカはそのように言うが、その通りであるため反論もできない。
だが、断り続けていると、相手も諦めを覚えるのか、社交界デビューをしてから一年も経てばその数も減ってきた。というのも、どうやら別な噂が流れ始めたからのようである。
噂は噂と割り切っているアルベティーナ。そして、両親もけしていい顔はしていないが、それを受け流すだけの余裕もまだあった。むしろ、その噂がある方が、都合がいいとさえ思っている二人。