隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
第一章
グルブランソン王国ヘドマン辺境伯領。名が示す通り、ここの領主はヘドマン辺境伯ことコンラード・ヘドマンである。そんな彼には息子が二人と娘が一人いる。二人の息子は王国騎士団に所属しているため王都に滞在しているが、息子たちと十程も年の離れた一人の娘は、この辺境伯領で穏やかに暮らしていた。
ヘドマン辺境伯領は国境を守る大事な要であることから、王国騎士団とは別に私兵団を持つことを許されている。といっても、この領民たちが私兵団に所属する私兵たちなのである。
このような環境であれば、コンラードの娘も残念ながら『お淑やかさ』からかけ離れてしまうもの。それに嘆いているのはコンラードの妻のアンヌッカであり、当の本人とコンラードは気にしていない様子。
さて、そんな辺境伯の娘であるアルベティーナも、十六歳になれば王都に足を運んで社交界デビューを果たさなければならない。それは一種の花婿探しであり、兄が二人いる彼女にとっては嫁ぎ先となる相手でもある。
アルベティーナの社交界デビューに合わせて、コンラードとアンヌッカも王都の別宅へとやって来ていた。
その日は朝からアルベティーナを着飾ることに余念がないアンヌッカ。それでも当の本人であるアルベティーナはどこ吹く風で、気にしていない様子。どうやらそれに気付かれてしまったのだろう。ぐぐっとアルベティーナはアンヌッカの手によってコルセットを締め付けられてしまった。
ヘドマン辺境伯領は国境を守る大事な要であることから、王国騎士団とは別に私兵団を持つことを許されている。といっても、この領民たちが私兵団に所属する私兵たちなのである。
このような環境であれば、コンラードの娘も残念ながら『お淑やかさ』からかけ離れてしまうもの。それに嘆いているのはコンラードの妻のアンヌッカであり、当の本人とコンラードは気にしていない様子。
さて、そんな辺境伯の娘であるアルベティーナも、十六歳になれば王都に足を運んで社交界デビューを果たさなければならない。それは一種の花婿探しであり、兄が二人いる彼女にとっては嫁ぎ先となる相手でもある。
アルベティーナの社交界デビューに合わせて、コンラードとアンヌッカも王都の別宅へとやって来ていた。
その日は朝からアルベティーナを着飾ることに余念がないアンヌッカ。それでも当の本人であるアルベティーナはどこ吹く風で、気にしていない様子。どうやらそれに気付かれてしまったのだろう。ぐぐっとアルベティーナはアンヌッカの手によってコルセットを締め付けられてしまった。