隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
「はい。ご心配おかけしましたが、もう大丈夫です。ところでセヴェリお兄さま。私、一昨日の夜にどうやって帰ってきたのか、記憶がさっぱりなくて……」
「ああ。俺もよくわからないが、酒に混ぜられて毒薬か何かを飲まされ、気を失ってしまったとしか聞いてないな。あの団長が平謝りしていったからなぁ。俺としてはそっちの方が驚いた」
毒薬――。
あれはそんなものではなかったと思うのだが、恐らくそれがルドルフなりの気遣いなのだろう。
「ティーナが警備隊に配属された理由は私も知っているが……。やはり、囮作戦というのは……。私としては反対したいところではあるな」
「ですが、兄上。あれはもう取り押さえたので。当分、ティーナにはそのような任務は無いと思いますが。既に昨日から取り調べが始まっていること、兄上も知っているでしょう」
セヴェリがエルッキに言い訳をしているようにも聞こえた。
あの裏社交界に騎士団が突入したという話は、すでに知れ渡っているのだろう。さらに関係者たちが捕まったという話も。だから取り調べが始まっているのだ。
「あれ? 囮作戦が終わったということは、私はもう用済みでしょうか」
アルベティーナは大事なことに気付いてしまった。そもそもアルベティーナはその作戦のために警備隊へ配属されたようなものなのだ。
「ああ。俺もよくわからないが、酒に混ぜられて毒薬か何かを飲まされ、気を失ってしまったとしか聞いてないな。あの団長が平謝りしていったからなぁ。俺としてはそっちの方が驚いた」
毒薬――。
あれはそんなものではなかったと思うのだが、恐らくそれがルドルフなりの気遣いなのだろう。
「ティーナが警備隊に配属された理由は私も知っているが……。やはり、囮作戦というのは……。私としては反対したいところではあるな」
「ですが、兄上。あれはもう取り押さえたので。当分、ティーナにはそのような任務は無いと思いますが。既に昨日から取り調べが始まっていること、兄上も知っているでしょう」
セヴェリがエルッキに言い訳をしているようにも聞こえた。
あの裏社交界に騎士団が突入したという話は、すでに知れ渡っているのだろう。さらに関係者たちが捕まったという話も。だから取り調べが始まっているのだ。
「あれ? 囮作戦が終わったということは、私はもう用済みでしょうか」
アルベティーナは大事なことに気付いてしまった。そもそもアルベティーナはその作戦のために警備隊へ配属されたようなものなのだ。