隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
食後にのんびりとお茶を嗜んでいたアルベティーナは、今日の朝刊に目を通していたセヴェリに声をかけた。セヴェリが顔をあげて、アルベティーナの方を見てくれたため、安心して言葉を続ける。
「あの……。一昨日の夜のことなんですけど……」
アルベティーナがもじもじとしていることにも気付いてくれたようだ。
「あまり、気にする必要はないぞ?」
「そのぅ……。本当にあそこからどのようにしてこちらに戻って来たかの記憶がなくて……。私、団長にご迷惑をおかけしたのではないか、と。それを気にしているのです」
パサっと朝刊をテーブルの上においたセヴェリは、右手の人差し指でぽりぽりと頬を掻く。この仕草は困ったときにコンラードもよくやっている仕草だ。つまり今、目の前のセヴェリは困っているようだ。
「まあ。俺もよくわからないんだが。とにかく、団長が気を失っているティーナをここまで連れてきてくれたんだ」
「あの……。私のドレスに乱れ、とかは……」
「な、何を言ってる。そんなことはなかったぞ? 団長も、ちょっとした毒薬を飲まされて苦しんだからそれの解毒をしたとしか言っていなかったが。ティーナの顔色を見たらそうなんだろうな、と思って、俺がティーナを部屋まで連れていった」
着ていた服が乱れていなかった、ということがアルベティーナの心の鎖を解いてくれた。つまり、例の件はこの屋敷にいる者たちには知られていないということになる。
「あの……。一昨日の夜のことなんですけど……」
アルベティーナがもじもじとしていることにも気付いてくれたようだ。
「あまり、気にする必要はないぞ?」
「そのぅ……。本当にあそこからどのようにしてこちらに戻って来たかの記憶がなくて……。私、団長にご迷惑をおかけしたのではないか、と。それを気にしているのです」
パサっと朝刊をテーブルの上においたセヴェリは、右手の人差し指でぽりぽりと頬を掻く。この仕草は困ったときにコンラードもよくやっている仕草だ。つまり今、目の前のセヴェリは困っているようだ。
「まあ。俺もよくわからないんだが。とにかく、団長が気を失っているティーナをここまで連れてきてくれたんだ」
「あの……。私のドレスに乱れ、とかは……」
「な、何を言ってる。そんなことはなかったぞ? 団長も、ちょっとした毒薬を飲まされて苦しんだからそれの解毒をしたとしか言っていなかったが。ティーナの顔色を見たらそうなんだろうな、と思って、俺がティーナを部屋まで連れていった」
着ていた服が乱れていなかった、ということがアルベティーナの心の鎖を解いてくれた。つまり、例の件はこの屋敷にいる者たちには知られていないということになる。