隠された王女~王太子の溺愛と騎士からの執愛~
(もしかして、あれは厭らしい夢だったのかしら……。セヴェリお兄さまも、私が毒薬を飲まされたとおっしゃっているし。幻覚を見せる薬がお酒に混ぜられていたのかも……)
幻覚を見せる薬。あの裏社交界であればそのような薬が出回っていてもおかしくはないだろう。
「あとの世話はミリアンに任せてしまったからな」
だからいつもの夜着で眠っていたことに納得した。
「あ、ドレス……。あのドレスも団長からの借り物でした」
「それもミリアンが手入れをしてくれているはずだ」
セヴェリと話をして、アルベティーナの気持ちも落ち着いてきた。というのも、ルドルフには礼だけ軽く言おうと割り切ることができたからだ。あのときのことは夢、そう思い込むことにした。
アルベティーナの仕事は、基本的には王城内及び王都の警備である。二人一組で警備につくのだが女性が一人しかいないというこの状況で、相方は必然的に男性になってしまう。まして警備場所が男性の入れない場所となれば、彼女一人となってしまうのが問題だった。この件が、セヴェリの「もう一人女性を」という訴えに繋がる。
幻覚を見せる薬。あの裏社交界であればそのような薬が出回っていてもおかしくはないだろう。
「あとの世話はミリアンに任せてしまったからな」
だからいつもの夜着で眠っていたことに納得した。
「あ、ドレス……。あのドレスも団長からの借り物でした」
「それもミリアンが手入れをしてくれているはずだ」
セヴェリと話をして、アルベティーナの気持ちも落ち着いてきた。というのも、ルドルフには礼だけ軽く言おうと割り切ることができたからだ。あのときのことは夢、そう思い込むことにした。
アルベティーナの仕事は、基本的には王城内及び王都の警備である。二人一組で警備につくのだが女性が一人しかいないというこの状況で、相方は必然的に男性になってしまう。まして警備場所が男性の入れない場所となれば、彼女一人となってしまうのが問題だった。この件が、セヴェリの「もう一人女性を」という訴えに繋がる。