真実の愛〜真逆の二人〜

第二章 コイツはすごいヤツ?

 叫んでしまった私を、あきれたように、元神蓮が見ている。だって叫んでしまうのも当たり前。元神カンパニーは、日本の五ッ星レストランを営む、元神仁シェフが立ち上げた、全国チェーンのレストランの会社だ。元神カンパニーのレストランは、安い値段で、素晴らしいランチを提供する、大人気レストランだ。中西家も、一度だけ行ったことがある。ウェイトレスの完璧な振る舞い。料理の完璧な味わい。ワインは高級品ばかり。まさに完璧なレストランだ。その、次期社長と、パートナーになれるなんて! 
「どうかしたのか?」元神蓮が聞いてくる。「ひぁっ!」さっきとは違ってなんか緊張してしまう。私はさっき作ったハンバーグのことを思い出した。 
「あっ!ハンバーグ作ったから食べませんか??」 
頭から抜けていたが、元神の人間に、手作りハンバーグはよくないかも!悪い所を指摘されてしまうかも!
「やっぱりー」やめときます。と言おうとしたら、「それじゃあ、平凡な家庭の人間が作ったハンバーグをいただこうじゃないか?」 
元神蓮はテーブルの前のいすに腰掛け、さりげなく嫌味を言ってきた。
少しムカついたので私は、デミグラスソースがたっぷりとかかったハンバーグを、元神蓮の前へおいた。
「どーぞ。」私は嫌味たっぷりに言った。元神蓮は、ハンバーグに鼻を近づけ、匂いをかいだ。
「平凡な家庭料理にしてはうまそうじゃないか。」元神蓮は、見下してくる。
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