サキュバスの年の差@純愛物語 イリスとシオン・魔法の恋の行方・シリーズ8
はぁ、そーなんだ・・・
イリスは、牙を抜かれたようだったが、

「私に何の御用ですか?」
その問いに、ここに来た目的を思い出した。

「あの、商売の話で来たんだけど、話を聞いて欲しいデス!!」

イリスはぐいっと、
シオンに詰め寄ったのだが、
反応がない、まるで植物がなびくように
イリスの感情が、抵抗がなくすり抜けてしまうようだ。

「話を聞きましょう。
わざわざ、遠くからお見えになったのですから」
シオンは、少年に合図を手でした。

少年は戸惑いながら、扉を大きく開けた。
「それでは、どうぞ、こちらに」

シオンはイリスの横を通り、
先に案内するように歩く。
すれ違った時に、何かのハーブの香りが、イリスの鼻先を流れた。

神殿内部は大理石でできていて、
高い丸天井に音が反響していく。

コツン コツン
イリスのヒール音が響く。
その後に、
スーツケースを引きずる、ズルズル音。


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