サキュバスの年の差@純愛物語 イリスとシオン・魔法の恋の行方・シリーズ8
シオンは表情を変えず、
積まれたランジェリーを眺めている。

イリスは、これまでの交渉経験から戦略を立てていた。
まず、インパクトが大事。

「商品の素材に、神殿で使用されている絹を使いたいと、考えています」
イリスは、単刀直入に言った。
押しが重要、ぶれない決意表明だ。

「ですので、シオン様の許可をいただきたく、お願いに参った次第でございます」

丁寧な言い方で、イリスはシオンをにらみつけた。
目力も重要なのだ。

「それはできません。
絹は神殿の儀式に使う神聖なものですから」
シオンは淡々と言うと、
イリスはニヤッと笑った。

「そーですか。魔族には、
神聖な物は売れないって言うのですか。
魔族は穢れているからですか。
それって偏見ですよね」

シオンは前のめりに迫ってくる、
イリスの勢いを制するように手をあげて

「魔族だから、許可を出さない、
という訳ではありません。」

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