サキュバスの年の差@純愛物語 イリスとシオン・魔法の恋の行方・シリーズ8
シオンは、びしょぬれのイリスを椅子に座らせ、大きな布を渡した。

「これで、拭いて、そうですね、
何か着替える物を持ってきましょう」

「カーチャ、薬の壺と私のローブをお願いします」
カーチャと呼ばれた少年は、すぐに立ち去った。

イリスは震えが止まらない。
少年が、薬壺を持って来た。

「ああ、顔も腫れてきていますね。」
シオンは薬壺から、どろりとした軟膏を、指ですくいとった。
そして、イリスのあごに手をかけて、顔の腫れ具合を確認している。

「目をつぶってください。
まぶたも腫れがひどくなるから」

目をつぶり、イリスは
ぺたぺたと軟膏を顔に塗りたくられるまま、じっとしていた。

「かゆい・・ピリピリする」

その軟膏は、ハーブの強い匂いがする。
「がまんしてください」
「寒い・・・」

イリスは自分の肩を抱くように、
ガタガタ震えはじめた。
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