サキュバスの年の差@純愛物語 イリスとシオン・魔法の恋の行方・シリーズ8
頭がぼんやりしていて、思考が、するすると流れ落ちてしまう。

ギシッ
ベッドがきしんで、シオンが半身を起こした。

「ああ、目が覚めましたね、
良かった。
体がすごく冷たくなっていて、
震えが止まらないようなので心配しました」

シオンはイリスの顔を覗き込み、
その額に手をやった。

次に、金に深い緑の混ざる瞳は・・不思議そうに細められた。
「それが、あなたの本来の姿?」

グゲッ

イリスは起きようとしたが、
シオンに両肩を押さえこまれて、倒れこんだ。

その肩は小さく華奢で、
10才ほどの少女のようだ。

「なぜ・・そのような姿になるのですか?」

「うぐぐぐぐぐぐ・・・・」

イリスはこぶしを握って、自分の目にあてた。
シオンの、不思議な物を見るような視線が怖い、と思ったからだ。

やっちまった。
自分の弱点を、知られた。
魔族は他人に、自分の弱点を
知られるのをとても恐れる。
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