サキュバスの年の差@純愛物語 イリスとシオン・魔法の恋の行方・シリーズ8
たくさんの茶色の小瓶が、棚に並んでいる。

「香の材料が入っています。
神殿で使う香の調合をしていたので。
日替わりで、毎日つくるのですよ」

シオンは、乳鉢の粉末を、小さな銀色のふたつきの器に入れた。

「さて、あなたの着る物なのですが・・・・」

ふたつきの器をパチンと閉めると、棚から箱を取り出した。

「カーチャの妹の服を借りて来ました。サイズが合うとよいのですが」
そう言って、イリスの前に紙箱を置いた。

「私も準備をしますので」

「準備って?」
イリスは、訳がわからないと言うように聞いた。

「あなたを家まで送ります。
が、魔族領に行くならば、
私のこの恰好ではマズイでしょう?」
シオンの金の瞳が、少しせわしそうに動いた。

「着替えたら、廊下で待っていてください。
あと、あなたの服は、カーチャの母親に頼んで、
アクア殿の屋敷に、届けるよう言っておきました」
そう言うと、足早に出て行った。

「ふーーーん」
一人になったイリスは、机に置かれた箱を開けた。

淡いピンクのふわふわのドレスが
入っている。
広げてみると、セクシーと真逆の、可愛さ満載の子ども用ドレス。

「ロリコンかショタかぁ?」

イリスはもう一度、自分のぺったんこの胸を見た。
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