サキュバスの年の差@純愛物語 イリスとシオン・魔法の恋の行方・シリーズ8
フワフワのスカート、背中には大きなリボン、パフスリーブにもリボン。
靴下は、折り返しに白のレースが、かわいらしくついている。

「靴が、ちっせーーー」

赤い靴のサイズが、合わないのだ。
イリスは廊下の椅子に座り、
小さな赤い靴を、手にブラブラさせていた。

「お待たせしました」

え・・・
魔族のオトコになっているじゃん・・・

シオンは黒の長髪、黒のスーツ、
黒縁の眼鏡、片手に黒の帽子を持っている。

「髪・・染めたのか」
イリスは目を丸くした。

「ええ、魔族領では、フェアリーのオトコが、魔族の子どもを連れていれば、それは目立ちますからね」

イリスは、素早く上から下に視線をやった。

魔族には取りあえず見えるが、
やっぱり線が細く、品が良すぎる。キレイすぎる。

魔族のオトコは、骨太で、筋肉質、粗野な感じの奴が多い。

肉食・モリモリ系なのだ。
強いて言えば、マイノリティの草食系魔族か。

シオンも、同じように、しげしげとイリスを見た。

「あなたもカワイイですね。
年越しの儀式のドレスですが、
よくお似合いです」

「年越し・・・って?」
イリスは黒髪のシオンを、見上げて聞いた。

「フェアリーでは、10才になったこどもたちが、神殿で祝福の祈りを受ける儀式を、するのです。」

「ふーーん」
イリスは自分が10才の時、
何をしていたのか思い出そうとした。
その時には、酒とたばこをやっていたと思う。

「問題が、ひとつあるんだけど・・・・」
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