サキュバスの年の差@純愛物語 イリスとシオン・魔法の恋の行方・シリーズ8
イリスは、赤い小さな靴を差し出した。

「サイズが合わないので、履けないんだけど。」

イリスは床に靴を置いて、ニコッと笑って手を広げた。

「だっこ・・」

「ああ、そうですか・・・」
シオンは少しためらったが、
ひょいとイリスを抱き上げた。

「それでは、行きましょう」
淡々と物事を進めるシオンに、
イリスは、もっとイジワルをしたい気分になった。

魔族のオトコとは違う、白くなめらかな肌の首筋。

シオンの首に両腕をまわして、
耳元でささやいた。
「首に噛みついたら、跡が残るよね」

「そうしたら、驚くのは、アナタかもしれません」
シオンの表情はわからないが、
声は落ち着いている。

「ふへ?」
想定外の答えに、イリスは戸惑った。
「噛みつくと、たぶん甘い汁が出てくると思うので」

「甘い・・汁って・・?」
相変わらず、シオンの声は落ち着いている。
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