サキュバスの年の差@純愛物語 イリスとシオン・魔法の恋の行方・シリーズ8
シオンはイリスをしっかり抱きしめて、ふわっと飛び上がった。
魔族のように、スピードは出ないが、飛び方が優雅だ。

畑をずっと抜けて、
なだらかな丘を飛び越えると、
眼下に、フェアリー領と魔族領の境目にある町並みが見えた。

「ここで降りましょう。目立ちますから」

街の城壁の影に、シオンは降り立った。
イリスは、耳元でささやいた。
「ケーキ食べたい」

「ケーキですか?」
シオンは、意外そうな顔をした。

「酒とケーキは別腹なんだけど・・・・」
イリスは耳元で、
息を吹きかけるように、ささやいた。

フェアリーのオトコを、翻弄するのは、楽しい。
サキュバスの、オトコを落とすための遊び心が、だだ漏れている。

「わかりました、休憩しましょう。靴も買いましょうね」

シオンは、イリスの挑発に動じることなく、表情を変えずに言った。
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