サキュバスの年の差@純愛物語 イリスとシオン・魔法の恋の行方・シリーズ8
「ええ、でも、市場には出回らない、売買されるものではないのですよ」

「どゆこと?」
イリスは首をかしげた。

「絹は、フェアリー領の神殿で、
すべて管理をしているのです。
一般のフェアリーには、
手に入るものではないのです」

「領主の娘のアンタでも?」
「ええ、神殿は特別なので、
管理している神官様は、古(いにしえ)の王族の末裔のお方ですし」

「そうなんか・・・」

イリスの赤い唇の片側が上がった。
「ねぇ、神官様って、オトコなの?」

イリスのサキュバス魂に、火が付いたようだ。
「神官様は男性ですけど、御高齢で、ほとんど表に、お出にならない方なのですよ」

「ジジィなんかぁ・・・」

イリスのテンションが、一気に下がったのを見て、
アクアは少し困ったように、

「フェアリー領での絹の調達は、難しいですね」

バタン

勢いよく、扉が開いた。

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