サキュバスの年の差@純愛物語 イリスとシオン・魔法の恋の行方・シリーズ8
「思い出したのです。
あなたを見て、幼い娘の笑顔を・・・

私は、愛する者を失う苦しみを、
二度と味わいたくない、
そう思って神官に就任したのです。」

シスルの指が、イリスの頬にあてられた。
「娘が生きていたら、成年の儀式で、きっとあなたのように、
かわいらしくなっていたでしょうね」

イリスが叫んだ。
「ちげーよっ、
アタシはアンタに、癒されたいって言ってんの!
あんたの娘とかの話じゃなくて・・・・」

「私は、相当に年を重ねてきました」
シオンは静かに言った。

「そんなの関係ねーっての。
アタシには、今が大事なの!!」
イリスは叫び続けた。

「だから、チューしたら、
あきらめるって言ってるんだよぉ!」

シオンは両手で、
赤くなっているイリスの頬に触れた。
その手は、磨いた木の肌のようになめらかだ。

「もし、そうしたら・・・・
私が困ることになる」
シオンの視線は、水面に風が走った時のように、ゆらいだ。
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