サキュバスの年の差@純愛物語 イリスとシオン・魔法の恋の行方・シリーズ8
生成りの質素なローブをまとい、
かごには切ったハーブらしき草や小枝が、いっぱい入っていた。

深い緑に、金の糸が混じる髪を後ろに束ねて、
同じ金と緑の混じる瞳で、真っすぐにイリスを見つめている。

表情は冷静さを保っている・・
しかも、精気が、生気が感じられない。

「ああ、あんたがシオン・・様?
本当に?」
まるで、大きな大樹のように・・
不思議な存在感と気品。

「ええ、そうです」
「もっと、ジジィって聞いたけど・・・」
イリスは、半分口を開け、本音が出てしまった。

「フェアリーには、長寿の種族があるのです。
特に、王族の血を引く者は見た目も、年を取りにくいのです」

シオンはふっと、表情をゆるめた。
「あなたは魔族ですね。
そう、魔族的からみたら、
ひいおじいさんくらいの年齢にあたるから、確かにジジィですが」



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