この世からログアウト
「確かあれは…他の世界で生まれた願い。
厄を吸い取ってくれるんだ。 でもそれにも
限界はある。いずれ、溜まった厄が世界を
飲み込んでしまう。」
「……それって、もしかして光莉にも関係が?」
「うん。未確認物体の片割れを飲み込むと
1ヶ月をかけてその人が生きた証、記憶すら
全てが消えて無くなる。
そしてそれは、人から人へ感染してしまう。」
「っえ?……消え…そ、そんなわけっ」
そんなファンタジーみたいな事
絶対に起こるはずがない。
だってそんな事ただの人間の妄想。
光莉が消えるなんて……嘘だよね?
「……ごめん。嘘じゃない。
もうあの子が消えるのは確定した未来だからっ。
変えることは、許されない。」
「えっ……じ、じゃあ治療法は?無いの?」
私がそう聞くとあかりちゃんは無言で頷いた
「じゃあ……どうすればっ」
「……出来ることは何も無い。」
「 …っ!!」
「だから、早く友達の所に行きな。……ね?」
首をこてんと倒して切なげに笑いかける
あかりちゃんに胸がぎゅっと絞まった。
そして私に手を伸ばした。
「な、なにっ!?」
急に薄暗かった森が私を中心に光り始める。
「……これは、少なくともあなたの為だと
思ってるよ。……幸生。」
「なんで、私の名前を……