この世からログアウト
「…ただいま」
玄関を開けるとひとつの赤いヒールが目に映った
思わず息を飲む。
「あんたさぁー本当何やってんの?
冷蔵庫に何も入って無いじゃない。」
お母さん…女の人が冷蔵庫を漁っていた。
「…ごめんなさい」
「その顔うぜー。やめろよっ!!」
花瓶の割れる音が私のすぐ横で聞こえた。
瞬間私は思いっきり殴られた。
「…った」
思わずよろけ、座り込んだ。
「…どいつもこいつも全員役ただず。お前もな。
早く死ねよっ!」
ガラスの鈍い音、少し痛い血が流れた腕
私はどんどん意識が薄くなっていった。
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目が覚めたらいつの間にか朝。
女の人はどうやら遊びに出掛けたみたい。
「…早く学校に行かないと。早く」
暴力を受けた日でも私は優等生。
友達もまあまあ居る、ごく普通の中学生。
傷を洗って、絆創膏とガーゼで押さえてそこから包帯を巻く。
うちの学校は基本分厚い長袖。私にとっては嬉しいばかりだ。
「よしっ…行ってきます。」