十二歳の恋人
5時に遅れるように
わざと帰宅してやった


「慧琉、何してたの?」

お母さんが、睨みつけてる
「ごめんなさい…」

リビングには、奏斗先生が座って、慧琉を見ていた。

先生と慧琉の目が合った。
先生が、悪戯っぽく笑ってみせた。

「じゃ〜先生、お願いします」

「ハイ。よし、慧琉ちゃん始めよっか!」

どんな顔してれば、いいの
胸が張り裂けそうな、
グツグツ腹たった感じで。
慧琉の後を追うように、先生も2階へあがってきた。
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