十二歳の恋人
ムカムカする。

何もなかったかのように、優しい。

嘘がバレてるのも知らずに!

「慧琉ちゃん…どーしたの?」

困った顔してる。

「嘘つきって、最低!」

キョトンとした顔しちゃってる。
「何の事かわからないんだけど、もしかして、俺に怒ってる?」

慧琉の近くにきて、ポンと肩を叩いた

「先生は、嘘つきだよ。」
「俺?―――ゴメン。何の事か分からない」

「この前言ったよね。彼女いないって」

「あー、言ったよ」

「今日、彼女といたじゃん」

思いっきり、睨みつけながら言ってやった。
「今日?彼女?――。ぷっ!ゴメン…」

「何で笑って言うの?!」

「ゴメン!!違うんだ。
どこで見てたかは分からないけど、今日いた女の人て言えば、アネキだな。」
「嘘だ!だって腕にしがみついてた」

「アメリカから帰国したばかりだからだよ。結婚してから、ずーっと海外に」

勘違い?
嘘じゃなさそうだし。
「誤解とけたかな?」

軽く頷いた。
勘違いに気づいたら、急に、恥ずかしい気持ちに変わっちゃって
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