十二歳の恋人
小さな部屋に、二人きり
この家に二人きりなんだよ‥‥‥

「慧琉ちゃんは、こんなの好きかな?」

ひよこのキーホルダーが、プラプラ揺れている

「かわいい!どーしたのこれ?!」

「実は、お土産で貰ったんだけど、さすがに俺が持ってるの変だろ?慧琉ちゃんなら似合いそうだなと…迷惑かな?」

初めての、プレゼント
何でも、嬉しい
「ありがと。かわいい!」
「だろ!!」

ニコッと、初めて見る笑顔だった。
また、ドキっときた。

「でも、何で慧琉に?他にも生徒いるじゃん」

かわいくない質問をしてしまった

「慧琉ちゃんに似合うと思ったんだ。」

と慧琉の目を真っ直ぐ見つめて…
答えた。

「ふーん……。うれしぃ」
「え!?聞こえなかった。」
「もー」

先生の腕を軽く叩いた。



何だか、恋人同士みたい。
ずっと時間が止まればいいのに。
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