十二歳の恋人
後かたずけは、慧琉がした。
エプロン姿の慧琉を先生が、茶化す。

今は、今だけは、慧琉だけを見てくれている。


「さぁ…。そろそろ帰るかな。」

「もう帰るの?慧琉一人で怖い!」

先生の困った顔
悪いよね‥‥そんな事言われたら、先生として困っちゃうもんね。
だけど、言わせて…

「先生……泊まってよ〜。お願い」

両手を合わせて
不安そうな顔して
先生にすがった。

「それは、まずいなぁ………。」

「先生なら大丈夫だよ。お母さんも信頼してるし。ね!!お願い先生。」
「誰か、親戚とか近くにはいないのか?」

必死に考えてくれてる。
嬉しいよ先生。
今の真剣な顔は、慧琉の為だけの顔だよね。

「いない。もし、一人の時に変質者がきたり、泥棒がきたら、どーする?」
「まいったなぁ〜。―――――わかった。じゃあ俺は、下にいるから。一応、お母さんの携帯に連絡しておこぅ。」

「あっ!慧琉がするからいいよ。」

先生と過ごす夜
ごめんなさい…先生
慧琉、お母さんに電話しないよ。
慧琉と先生の大切な時間だから。
内緒にしておかせてね。
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