十二歳の恋人
お風呂に入って、パジャマ姿になったよ。
慧琉、かわいく見えてるかな……。

「先生、明日休みだし遊ぼー。」

「ダメ!10時になってるから、寝ないとな。」
「いいじゃん。じゃ〜お話してよ。」

先生がため息を付いた。
こんな、生徒って迷惑?「ベッドに入れよ。」
「うん!!先生の話してね。」

「はいはい。」

慧琉の部屋で、先生と二人。
明日の朝、本当の事いうね。
内緒をつくった事。
「先生は、どんな人がタイプなの?」
「優しい人。」
「ふーん。じゃーさぁ、年下と年上ならどっちが好き?」

「それは、関係ないなぁ。じゃー慧琉ちゃんは?」

言っちゃおうかな……。慧琉が好きなのは、先生だよって。

「慧琉は、先生みたいな人が好き。」

先生の顔が、ビックリしていた。
「みたいなかぁ〜。あせるだろ。」

「先生だよ‥‥‥‥‥‥。」

二人の間に沈黙が、続いた。
長い短い時間が…

「そうか、ありがとうな」
軽く言った。
冗談だと思ってるの?
子供の言う事だと、あしらってるの?

「先生は、慧琉の事どう思ってる?」

「いい子だよ。」
先生として、妥当な答えかたをした。
ズルイ!!

「慧琉を子供扱いしないで、ちゃんと答えてよ」
「―――。俺は、先生なんだ。慧琉ちゃんにとっては。」
「先生が決めるの変!
だって、それは慧琉が決める事だよ。」

「さぁ、もう遅いし早く寝ないとな。」

「いやだ。ズルイよ先生は。」

優しく頭をポンと叩いた
それが、慧琉にはドキドキする事なんだよ。

「先生が好き!慧琉は先生としてじゃなく、好き。」

先生は頭を抱え込んで、下を向いてしまった。
面倒な生徒
そう、おもっちゃった?

「先生も、――――男なんだよ。」


言葉の意味がわからなかった。



「――――。」
すぐにわかった。
先生が、慧琉のおでこにキスをしたから。

「―――。先生」

「―――ごめん」
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