十二歳の恋人
最近、部屋にいる事が多くなった。
お母さんとの、会話も減っちゃった。
この間、リビングでTVを見ているお母さんの、後ろ姿が…寂しく映った。
嘘はつきたくないから、お母さんを、避けちゃって…

「慧琉?」

いつもより、低いお母さんの声

「ん?」

「入って、いい?」

「駄目!―――。」

「じゃ…ちょっとリビングに来てね」

「わかった」




リビングに行くと、お母さんが、ソファーに座りボーっとしていた。

「何?お母さん」

「座って」

お母さんの前に座った。
「慧琉?何かあったの学校で」

お母さん、勘違いしてる。
慧琉を心配してる。
心配かけてごめんなさい。
「何もないよ。どーして?」

「最近の慧琉、変だから。」
「大丈夫だから。安心して」
明るく笑ってみせた。
すると、お母さんも安心したような表情をした。
「もぉ、寝るね…おやすみ。」


このままで、いいのかな。
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