十二歳の恋人
結構走ってきた。
ばれてしまった、お母さんに。
奏斗はどうなるんだろうか?
犯罪って、言ってた。
警察に、捕まっちゃうのかな。
どうしたらいいの







どれくらい外にいたのか、空は真っ暗になっていた。
今、何時かな…
お母さん心配してるだろうな…




公園の大きな土管の中で、横になった。





チュンチュン―

「ん…」

いつの間にか、眠ってしまっていた。


こんな憂鬱な朝を迎えたのは、初めて
学校も行けない。
みんな心配してるだろうな……。
奏斗、どうなったのかな……
慧琉が家出したから、余計にヤバくなっちゃったりしてないかな。





やっぱり、今のままじゃ何もかわらないし…
家に帰って、もう一度お母さんと話しをしてみよう。
何もしないで、逃げ出すよりは、ましだよね。







「ただぃま、」

お母さん玄関先に座ったまま眠ってた。

待ってくれてたんだ
ずっと。

「慧琉――。」

「ごめんなさい。」

「夕べあの後に、先生に電話したら、慧琉を探しに行きますって」

奏斗が…

「携帯番号控えてるから、帰ってきた事を言いなさい。」

お母さん、すごい疲れた顔してる。





お父さんがいたら、打たれるだろうな。
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