十二歳の恋人
ただ、何もする気がおきないだけ

声が聞きたい


お母さんとも、話さなくなった

「慧琉が大切だから、お父さんに誓ったから、あなたを守るって。」

「お母さんのせいじゃないよ。慧琉が悪い子なだけ」

「外の空気吸わないと、体に悪いから」

「うん……。」

「お散歩、行こうか」




「行きたくない。ごめんね」

「そぅ」


お母さんは、静かに部屋をでていった。


もうすぐ、3ヵ月――。

どうして、同じ年齢で産まれてこなかったのかな‥‥。
慧琉が、奏斗と同級生なら、こんなふうにはならないで、もっと普通に恋愛ができた筈なのに。


別れずにすんだのに……
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