十二歳の恋人
―はじまり―
この日から、慧琉と奏斗の新しい生活が始まった。

慧琉は、学校にも行くようになって、お母さんとの関係も、元に戻った。

「もしもし!?慧琉だけど、今日お母さんが夕飯一緒にどうか?って」

「うん、行くよ。」

「じゃ…後でね。」


「あぁ」


お母さんが、料理を作りながら
「食べるって?」

「うん。夕飯何にしたの?慧琉も手伝おうか?」

手を洗いながら聞いてみた。

「え―できるの?」

「できない。できないけど、教えてくれたらするよ!」

「そうねー。じゃ‥‥玉ねぎをみじん切りにしてちょうだい。」
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