セカンドバージン争奪戦~当事者は私ですけど?

「今、ゆーあが‘瞬きしていると分からない’って言っただろ?コンマ何秒かでそこにKaiのロゴを出すってことは出来ますよ」
「ということは、商品を選んで試着をクリックしたあと、一瞬ロゴが出てフィットした手…ということになる…すぐに試せる、桐谷くん?」
「はい。珈琲を入れてもらう間くらいで」
「私、入れてきます。皆さん珈琲でいいですか?」

ヨウが手直しする間に、皆の珈琲を入れることになり、青田さんが私を手伝ってくれる。富田さんはクッキーを持って来てるからと一旦席に戻った。

「リングはいけそうね。ネックレスで試さなくて良かったわよね?」
「あ、ほんとですね。首がちょんぎれたら…怖い」
「そうよね」
「次はネックレスかピアス、イヤリング…という風に進めていけますかね?」
「顔が写ると自分に似合うかのイメージが出来ないから、難しいわね」
「そうですね。手は客観的に見えるパーツですからね」

リング限定のtrialになるのかな?

その後、手直しを加えたもので、2日後の役員ミーティングに小川課長とヨウがこれを持って参加する。ヨウがいないとシステム上の質問に答えられないかららしい。

「桐谷センパイ、ありがとうございました。仕事だと、言われると思うけど私が思っていたことを形にしていただいて嬉しいです」
「まだ、ここまでではプログラミングで遊んでる奴と同じだ。これでどれだけの売り上げアップを見込めるのか…初期費用からそこまで計算して勝算がないと運用は無理だから」

今回私はその辺りのことはお手伝いしか出来ていない。次はそこまでやってみたいな。
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