遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
「そう。何ともないなら授業受けに戻りなさい。2人で」
ん…?2人…?あぁ、未花ちゃんでも来てくれたのかな。
「すごかったわねぇ。お姫様抱っこでここまで運んできちゃうんだもの」
お姫様抱っこ…?未花ちゃんってそんなに力持ちだったっけ。まぁ、よく分からないけど戻らなくちゃ。
ベッドから起き上がり、置いてあった上靴を履いてカーテンを開けた。
「未花ちゃん、私なんで……え?」
そこにいたのは未花ちゃんでもなく先生でもなく、東くんだった。
「え…東くん?何でここにいるの…?」
「いや、俺が話しかけた途端倒れちゃったから…」
話しかけた…つまりあの出来事は現実だったってこと?
「それじゃあ2人で帰っておいてね。私は職員室に用があるから」
そう言って私が困惑しているうちに、保健室の先生は出て行ってしまった。