遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
海斗くんが困っている私に気づいてフォローしてくれた。…みたいだけど最近隣にいた私だから分かる。


笑っているようで目が全然笑っていない。


「えー。もっと話聞きたいのにい」


「ねー?」


海斗くんに言われてもなお引き下がらない女子軍。


「そんな女子の皆さんに大切なお知らせ。今日は先生が朝から抜き打ちテストやるって職員室で言ってたよ?赤点だったら放課後補習だってー」


にっこりしたまま続けた海斗くんの言葉にみんな騒然。


廊下に出ていた男子までも狼狽えだす。


「え?やば。東それ範囲どこ?」


「そこまでは聞き取れなかったー」


「放課後なんて絶対無理!」


「テストなんて抜き打ちでしないでよねー!」
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