遠くから眺めるだけだった推しが溺愛してくるのですが、これは夢ですか?
た、助かった…?


どんどんみんなが教室に戻っていく様子を一人で眺める。


「…あ、テスト。勉強しなきゃ」


私も抜き打ちだと引っかかっちゃうかも。


人の流れに続いて教室に入ろうとすると。


…海斗くんとバチンと目が合ってしまった。


人がいなくなったから、さっきの笑顔がちょっと崩れて怒ったような顔になっている。


お礼を言いたかったけど今言うのは憚られて、視線を逸らして教室に入った。
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